よくある質問Q&A

【労働保険編】

Q1.労働保険について教えて下さい。

A2.労働者災害補償保険(いわゆる労災保険)と雇用保険を総称して労働保険と呼んでいます。

Q2.労災保険とは何ですか?

A2.簡単にまとめますと「労働者が災害にあったときに補償してくれる保険」であり、その災害には「業務上」と「通勤途上」の負傷、疾病、障害、死亡があり、それぞれに保険給付があります。

Q3.労災保険には必ず加入しなければならないのですか?

A3.労働者を1人でも使用している事業所は、次の任意適用事業所以外は、当然に労災保険の強制適用事業所とされます。

《任意適用事業所》

労災保険が強制適用にならないのは、「個人経営の労働者数5人未満の農林水産」の事業所です。

Q4.労災保険の適用を受ける労働者を教えて下さい。

A4.労災保険の適用を受ける労働者は、労働基準法第9条に規定する労働者です。定義は「職業の職種を問わず、適用事業所に使用される者で、賃金を支払われる者」とされています。

従って、正社員、パートタイマー、アルバイト、日雇労働者等の雇用形態に関係なく、労災保険の適用を受けることになります。

Q5.労働者ではない中小企業経営者等は適用にならないのですね。

A5.労働者ではない中小企業経営者・個人タクシーの運転手や、海外在住のため日本の法律が適用されない海外派遣労働者は原則として労災保険の対象者ではありませんが、「労災保険」に特別に加入することによって労災保険から補償される制度があります。

Q6.労災保険の手続はどこにすればいいのですか?

A6.労災保険の保険関係の成立や、労災事故(業務上災害、通勤途上災害等)が発生したときの窓口は、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署です。

Q7.もし事業所が故意または重大な過失により労災保険の手続をしていない期間中に事故が発生した場合、どうなるのですか?

A7.労働者は当然補償されます。事業主に対しては下記の取扱となります。

(1)行政機関から指導等を受けたにもかかわらず、手続を行わない期間中に事故が発生した場合

⇒事業主が「故意」に手続を行わないものと認定され、当該災害に関して支給された保険給付額の100%を徴収されます。

(2)行政機関から指導等を受けてはいないものの、労災保険の適用事業所となった時から1年を経過してなお手続を行わない期間中に事故が発生した場合

⇒事業主が「重大な過失」により手続を行わないものと認定され、当該災害に関して支給された保険給付額の40%を徴収されます。

Q8.労災保険の保険給付について教えて下さい。

A8.業務上災害に関する保険給付は、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付等8種類です。通勤途上災害に関する保険給付は、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付等7種類です。

Q9.A8.の保険給付に関して、業務上災害と通勤途上災害の違いは「補償」という文字があるかないかのように思いますが…?

A9.支給内容は原則として同じです。これは業務上災害には労働基準法によって事業主に補償義務があるのに対して、通勤災害には事業主に補償義務がないからです。

なお休業補償給付も休業給付も休業4日目から給付されますが、業務上災害の場合には、労災保険から給付されない休業第1日から第3日分については、事業主に労働基準法上の補償義務が発生します。

Q10.労働保険料は全額事業主負担ですか?

A10.労働保険料は、労働者に支払う賃金総額に保険料率(労災保険率+雇用保険率)をかけた額です。そのうち労災保険分は全額事業主負担、雇用保険分は事業主と労働者双方で負担することになっています。

Q11.保険料率について教えて下さい。

A11.保険料率は下記の通りです。

(1)労災保険率

事業の種類によって異なり、料率は2.5/1000~89/1000です。

(2)雇用保険率

①一般の事業…9/1000

 ⇒事業主負担 6/1000、労働者負担 3/1000

②農林水産、清酒製造の事業…11/1000

 ⇒事業主負担 7/1000、労働者負担 4/1000

③建設の事業…12/1000

 ⇒事業主負担 8/1000、労働者負担 4/1000

Q12.雇用保険の目的を教えて下さい。

A12.労働者が失業した場合および雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活および雇用の安定を図ることを主な目的としています。

Q13.雇用保険に加入しなければならない事業所を教えて下さい?

A13.労災保険と同様、雇用保険においても労働者を1人でも雇用している事業所は強制的に加入する義務が発生します。強制適用にならないのは「個人経営の労働者数5人未満の農林水産」の事業所です。

Q14.被保険者になる人はどんな人ですか?

A14.雇用保険の適用事業所に雇用される労働者で、法律によって適用が除外されている者を除き、労働者の意思や事業主の意思に関係なく法律上当然に被保険者になります。

被保険者には、労働者の雇用形態、年齢等により、一般被保険者、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者の4種類があります。

Q15.パートタイマーやアルバイトは被保険者にならないのですか?

A15.パートタイマーやアルバイトでも次の要件のすべてに該当する者は雇用保険の被保険者となります。

①1週間の所定労働時間が20時間以上であること

②31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

なお適用事業所に雇用される昼間学生は、夜間等において就労しても原則として雇用保険の被保険者とはしないことになっています。